川崎フォトエッセイ  その302  心象的構図    ←前 →次  HOME

 構図は偶然発生している場合がある。垂直線や水平線などの組み合わせだけでも、ほどよい構図が編み出せる。構図を見いだしているのは、実は僕自身で、風景の中に「さあ、見てくれ」というような意志はない。

 人によって、趣のいい構図がある。人柄が反映する。人の数だけ構図がある。だが、見やすい構図があり、これは普遍的なパターンとして、絵画的に存在している。美術書を読めば、解答が出ている。それに叶った構図を作れば、絵画性が高くなる。この高さは、見慣れた絵画として安定している。

 もう一つの構図は、組み合わせの構図である。絵画的構図としてはさっぱりでも、その組み合わせに趣がある。たとえは、旧と新が混ざった構図とかだ。また、意外なものが並んでいるとかも。

 精神的な構図もある。これは心象的構図で、個人の気分や状況が構図化された絵だ。風景が気持ちの鏡になるのだろう。