同じ色を見ても、人によって同じに見えない。ある色とある色との違いは、わかるようだが、その色が、どのように見えているのかは、他人の目にならない限り、確認できない。
以前に写した写真に付いている色は、写したときに見た色を忘れてしまっているため、実際の色を見失っており、写真に写っている色が現実の印象となる。
僕が見た色と、写真に写っている色とは、違うものである。しかし、どう違っているのかは、元の色を忘れているためわからない。わかっているのは「違う」ということだけである。
しかし、その違いも、まあ、どうでもいいことのように思えば、さして気にならない。なぜなら色だけではなく、レンズを通して写されたものは、ハナから現実を再現していないのだから、色だけに拘るのはおかしいのだ。
シャッターを押したのは僕だが、誰が写しても、結局同じ絵が得られるのが、写真である。だからこそ違いを強調したいのだろう。