光があるから闇が生まれるが、光がなければ何も見えない。それだと困るので光は必要だ。
カメラの場合、明るい箇所に露出を合わせると、暗い場所は真っ黒になる。人間の目も、たとえば車内で本を読んでいて、窓から直射日光が当たると、まぶしくて紙が真っ白になる。そして目を暗いところに移すと、最初は暗くてよく見えない。
明るすぎるものを見たあとは、普通の明るさのものまでが暗く感じる。その逆も当然起こる。
明るいということはものがよく見えることだが、極点に明るいと、逆に何も見えなくなる。
明暗の両極端は、人が普通に暮らすには、ふさわしくない。ほどほどに明るく、ほどほどに暗いほうが落ち着く。
気持ちも、ハイに入ったり、ローに入ったりする。昔なら「お天気やさん」と呼ばれていたが、極端にハイなまあ、またはローのまま過ごすと、対人関係もおかしくなる。