川崎フォトエッセイ  その323  踏切待ち    ←前 →次  HOME

 踏切で通過列車を待っているとき、向こう側にいる人と目が合ってしまうときがある。お互いに、これという用事や作業をしているわけではない。単に立ち止まっているだけだ。その意味で状態ははっきりとしている。それだけに、行動を見透かされているような気にもなる。

 普通の道ばたで立ち止まっていると、解釈の範囲は非常に広くなる。聞いてみないと理由がわからないほどだ。この場合は見透かされない。

 行動を見透かされることにより、相手に安心感を与えることもある。「今、私はこういうことをしようとしている」と、示しているので、相手もそれに対応した態度で臨んでくれるだろう。

 しかし、ぽかんと踏み切りで立っている図は、わかりやすいが間の抜けた状態だ。と、思うのは、僕が感じている気持ちを、向こう側の人も感じていると、思うからだろうか。