川崎フォトエッセイ  その358  カウンター    ←前 →次  HOME

 飲食店などのカウンターは、常連客か一人客が座る。テーブル席に一人で座ると、客が多く来たとき、居心地が悪くなる。実際にはテーブル席のほうが、しっかりとした椅子のため、居心地はいいのだが、一人で占領しているという負い目があるため、マナーのない人のように見られる。

 カウンター席は、椅子も高い場合があり、背の低い人や足の短い人は足が下につかない。こんな状態で食事するのは、不安定である。

 それにカウンター席には常連客が隣にいる可能性があるため、飲み屋さんなどでは、聞きたくないもない話まで耳に入り、酔った勢いの客なら、話題に対して同意を求めるような視線が届いてしまう。  それを楽しく受け取れる人と、孤独を愛する人に分かれる。たいがいは前者の人の方が多い。なぜなら、その種の店に出入りする人だからだ。

 カウンターで孤独を愛する人にとっては、そこは非常に狭いテーブルしか与えて貰えないだけの待遇を感じて、飲食だけに専念するしかない。