川崎フォトエッセイ  その359  ムード    ←前 →次  HOME

 ムードは独自の情報である。つまりデータ化しにくい。ムードや雰囲気はそこにあるのではなく、発見するものであり、見いだすものだ。なぜならデータから割り出しにくいからだ。

 確かに定型化された「ムード」は存在する。ある人物を評価するときに「不思議な雰囲気の人」などと口にするが、何がどう不思議なのかは、実際には分からない。そのため定型化されても中身は「感じ」でしかない。

 ムードの持つ微妙は効果は、人の情感にダイレクトに当たるため、言語化する前にダメージを受けてしまう。

 人や世の中を動かしているのは、もしかしてその種の情緒なのではないかと、勘ぐってしまう。これを展開させていくと、世の中は気分で動いていることになってしまうので、それを言うと終わってしまう。

 情緒から来る衝動やエネルギーは、野蛮なものだが、そのパワーは恐るべきものがある。

 それまで頭で考えていたことを、ある日、考えもなく衝動的に計画にはない行為をしてしまう……とかである。