そこがどこか分からない場所がある。地名とかではなく、その場所の状態だ。状況でもいい。写真で見るそれは、完璧なほどローカルで、その角度から写したその場所は、二度と再現できない。そのため同じ写真は写せない。
その場所は、写真では一回きりしか写せないが、実際にその場所へ行けば、写真の元になった場所は存在している。時間帯や天気などによって、印象は違うが、あることはある。
つまり、写真の醍醐味は、ないものは写せないことで、これが一応リアリティーの保証になっている。だから、証拠写真とかも成立する。
写真は絵画に比べると、オリジナリティーが薄いが、普遍性では絵画より勝る。それは機械を通して書かれた絵のためだろう。
そのため、オリジナルは写真にあるのではなく、現実側にある。