川崎フォトエッセイ  その374  レンゲ    ←前 →次  HOME

 野草を見ていると心が和むのは、ブランドのある花に比べ、これ見よがしに咲いていないためだ。

 しかし、それは人間が見た思いこみなので、草花に問題があるわけではない。草花も商品として流通し、値段が付くため、高い花は、それこそ高嶺の花となる。正確には「高値の花」だろうか。

 野草を見て和むのは、より自然に近い感じで咲いているため、作為性が低いためだろう。草花に値段が付くと、そこに社会的な背景を見てしまう。花屋さんで売られている花は、枯れるのを待つだけの切り花が多く、単なる観賞用になってしまう。鉢植えの草花も、何かわざとらしさがある。

 地肌が露出している場所には、必ず草花が生えている。いわゆる雑草と総称される名もなき草花である。その中でも、レンゲやタンポポは、目立ちやすいため、このジャンルの中では、スタークラスだろうか。