川崎フォトエッセイ  その388  チャット    ←前 →次  HOME

 ネットを使ったチャット(双方向書き込み式の会話)をやっていると、普通に会って話す会話とは明らかに違う箇所をアクセスしていることがわかる。

 チャットは文字だけで電話をしているようなものなので、相手の声から感情を読みとることができないため、手紙と同じように、相手の感情がわからない状態で話す状態になる。

 チャットでも、単に情報をデータ的にやりとりするだけなら、生の会話よりも効率がいいかもしれない。それは実際には言えないことも言えてしまうからだ。それは相手の感情が目の前にないためだ。

 人と人が話す場合、単に情報の受け渡しだけをしているわけではない。むしろ言外の事柄や、言えないことを察することで、微妙な接触をしているのだ。さらに生理的なものも影響している。

 話し言葉と書き言葉の中間にチャット言葉がある。実在の相手を知っている場合は、話し言葉に近くなるが、それでも相手の目の表情は隠されたままだ。