川崎フォトエッセイ  その392  水田    ←前 →次  HOME

 都市近郊の街は、もともと村落だった場所が宅地になっている場合が多い。そのため都市近郊の街の市街地から外に出ると、農地がまだ残っている。

 今の日本は農耕民族ではないが、その時代の痕跡を残す言葉は今なお多く残り、日常的に使っているし、農耕民族の癖も抜けきれていない。

 米さえ食べていたら、生きていける時代があり、それさえ食べられず、ヒエや粟を食べていた時代もあった。今は、主食である米(ご飯)よりも、オカズが問題になる時代だ。

 昔はそうだったからといって、それを今に当てはめるのはおかしな話だが、現実はそうでなくても、文化として根強く残っている。

 選挙の時も「票田」のように、水田から来ているだろうと思える言葉が使われている。稲作メインで長く暮らしてきた民族なので、その精神は意味を失っても消えないでいる。