川崎フォトエッセイ  その406 建て替え       HOME

 よく見かけていたものが、ある日突然別のものになっていることがある。そのものの機能は同じでも、形が変わってるだけのことも多い。

 二十年前の建物を新しく建て替えるとき、五年ほど新しく、つまり十五年前の形式で建て替えるようなことはしない。十五年前の建材と今とは違うだろうし、逆に建築費が高く付くだろう。そのためか、古い家ほど建て替えする場合はモダンな建物になってしまいやすい。

 僕が生まれ育った町内も、その頃のまま残っている家は希で、今風な建物に置き換えられている。それによって町内の景観は違ってしまい、その頃遊んでいた路地などは、全く消え去っている。

 そして、最初の頃建て替えた家が、少しずつ古くなっている。それでも、最初の頃の家に比べると、明らかに現代的な寿命は維持している。見る側に何か断層でもあるようだ。