川崎フォトエッセイ  その405 木目       HOME

 木の板は切り取られたものなので、当然その断面が露出している。年輪や節(ふし)が模様のように見える。この模様(木目)は、合成樹脂でできた板にもプリンとされている。触ると木ではないことがすぐに分かるのだが、見た目は本物とかわらない。しかし、わざわざ木目を入れる必要があるのだろうかと、思うときがあるが、貼り付けられる場所に合わせての雰囲気作りなのだろう。

 木目を見ていると、その樹木が生長していった年月がわかる。何年、何十年もかかってできた模様である。いわゆる「年輪を感じさせる」というやつで、それは合成樹脂に書き込まれた模様とは意味が違う。その模様が本物の木目から写し取ったものであっても、空々しいものが残る。

 木目の中に節があり、これは何かの拍子で、抜けることがある。つまり節穴である。これが開いてしまった板塀とかは、困ったことになる。「お前の目は節穴か」などという言葉が生まれる。