川崎フォトエッセイ  その404 オバケ       HOME

 オバケは、普通では存在しないような物や生き物を指すようだ。普通ではないとは、この世の中に存在しないような事柄を指すのだが、しかし知らないだけで存在しているものも確かに多い。

 ありがちなオバケは、オバケとして「仮想存在」している。それだけにあまり驚かない。慣れてしまうと、日常の中に入り込んでしまえる。

 オバケは何かが化けたものなので、化ける前の原型がある。どんな奇怪な形をしたオバケでも、僕らが日常的に目にしている「ものパターン」から大きくはみ出ることはない。目に見えないオバケも、ある精神的な状態に類似している。

 何かが化けて、犬の姿をしているとすれば、見た目では分からない。しかし、犬を見て、オバケだとは思いつかない。その犬が、普通の暮らしをしているのなら、気づく機会はまずないだろう。この種のオバケは恐い。