川崎フォトエッセイ  その411 放置機能       HOME

 機能的にはまだ健在だが、放置された状態だと、使いにくくなってしまうものがある。誰が落としたのかわからない物は、拾うのに躊躇する。

 しかし、放置された状態が長く続くと、機能も損なわれ、使えない物体になりうる。

 僕らもその種の放置物を抱えている。個人的な事柄だと、僕が使わなければ誰も使うことはない。使う機会がなくなると、疎遠になり、そんなものがあったのかと驚くほどだ。

 僕らは複数の事柄と毎日対峙している。その事柄が常にアクティブならば、意識しなくてもその機能は使っている。しかし、対峙する事柄が多いと、後回しになったり、放置してしまいやすい。決して忘れているわけではないのだろうが、優先権が低くなり、やがて、意識もしないようになる。

 やりかけたまま放置した事柄は、まだその機能が生きている間に動かないと、手遅れになってしまいやすい。