川崎フォトエッセイ  その454        HOME


 坂道は起伏のある場所にある。登り坂は永遠に続くわけではない。下り坂も同じである。ただ、登り切ったところには何もない場合もある。期待していた平らな場所もなく、道がそこで途切れていることもある。

 もし、地図があれば、それは予測できることだが、持参しているとは限らないし、地図を見てから出かけるとも限らない。

 名のある坂道はわかりやすい。最近では道は道路を意味し、道路名は線名が使われている。特に数字になってしまった道路名は、印象が非常に薄くなる。たとえば東海道を国道1号線と呼んでしまったあたりで、道が無機的になる。台風を号数で呼ぶことで、どの台風だったのかが見えにくくなるのと同じだ。室戸台風や伊勢湾台風のほうが印象としての含みが多い。たとえ第二室戸台風となっても、印象は薄れない。

 さすがに坂の名前は数字で呼ばれることは少ない。言葉の由来など知らなくても、語呂が快い。