川崎フォトエッセイ  その461 交差       HOME


 不特定多数の人々が交差する場所がある。公共の場所がそうだ。誰でも出入りでき、行き交うことができる場所である。そうでない場所とは、自室とかだろう。

 しかし自分だけが出入りする場所でも、お客さんとかが来ると、プライバシーを見せてしまうことになるため、見られてしまうことに対する心づもりが必要になる。自室を一時公共の場にすることでもある。

 自室の場合、入室する人を選択するので、不特定多数の人が来ることはないが、セールスの人がドア越しに部屋を覗くこともある。

 人は人を気にする。相手が見ず知らずの人であっても、関わる可能性がある。眼前にいる見知らぬ人に対しても、何らかの反応を起こしてしまう。それは密閉された無人の場所では起こさなくてもいい感情だが、その場所に人が現れる可能性がある場合には、同じように他者の視線を予測した動きをするようだ。