川崎フォトエッセイ  その463 創造       HOME

 人が作ったものにはそれなりに価値がある。意味もなくものを作ることもあるが、意味のなさが価値を生むこともあるからだ。意味の問題は人とによってまちまちなので、深く追求しないと分からない。

 複数の人が作ったものが、ある場所で混ざっていると、統一感に欠ける。これが町のリアルティーとなるのだが、人にとっての自然さは、誰にでも当てはまるものではないだけに、見る人の数だけ自然さが生まれてしまう。

 古い時代のものがどかないと、周囲が新しくなっても古いものの引力に引っ張られる。新しいものと古いものとの調和を計っても、その前に計算外のものが移動してくると、これもまた統一感に欠けてしまう。

 ここで言う統一感とは、結局のところ誰かの意志だろう。統一させようとすることがむしろ不自然なのが町の景観なのだ。

 人はものの創造はできるが、全体を統一するような創造はできない。