川崎フォトエッセイ  その473 玄関口       HOME

 玄関は外に面している。外と中とを仕切っているのだが、鍵がかかっていなければ、物理的には誰でも出入りができる。それができないのは、社会性を犯すことになるためだろうか。

 玄関の内部は人の家である。いくら物理的に出入りできるといっても、用事もないのに入り込めない。鍵をかけるのは用心のためで、仮想敵は泥棒である。社会性を犯してまで入ってくる限り、それは犯罪に繋がるような用件だろう。

 見知らぬ人が玄関を開けることもある。セールや勧誘に回っている人たちだ。玄関前に立つことは、すでに持ち主の敷地内に踏み込んでいることになり、それだけでもとがめてもかまわない。まして勝手に玄関を開け、中を伺う行為は、プライベートの侵害である。

 しかし、玄関を開けて入ってくるのは招かざる客ばかりではない。そのため、完璧に閉ざすわけにはゆかない。