川崎フォトエッセイ  その478  ゆとり      HOME

 ありふれたものを忌み嫌うことがある。それはよくあることとして一般的すぎるため、特徴や個性を求めるときには、都合が悪いからだ。

 他と違う選択は、一般的な選択とは違うことで、その「一般」は多数を指すのだろう。多数の人が選択していることは、それなりに普遍性があり、安定した中程の領内にいることになる。

 全てに他とは違うことを選択することは不可能で、選択する側の感度に関わってくる。つまり、選択の重要性を感じないようなときには、ごく一般的な選択をやっているはずだ。

 人の持つ感度には凸凹があり、感度の高い箇所と低い箇所がある。本人が気づかないこともあり、その場合はセンス的には未開の領域となっている。

 個性的なものを選択するよりも、ありふれたものを選択する気持ちのほうが、人としてはゆとりがある。