川崎フォトエッセイ  その493  無責任      HOME

 写真はそのものを表示させているが、表示だけでは結局何かがどうなっているのかがわかりにくいときがある。言葉よりもビジュアルで説明したほうが早いと言われているが、視覚的な世界は思っているほどわかりやすくはない。

 理解したがるのは、何かについてで、その何かをうまく説明し切れているものなら、写真でも言葉でもかまわない。

 しかし、説明の仕方にも多々あり、カタログデータ的な説明もあれば、現実上での本当の話としての説明もある。

 つまり実情の話となると、それに対峙している側の興味が問題になり、それにかなうお話ができるかどうかになる。

 表示されているものを鵜呑みにできないことは日常的に体験することである。またお話も、表面的にはそう語られていても、実際には誰もそれを信用していないこともある。

 ただ単に雰囲気や形の面白さなどといったイメージ的なことで始終しているほうが無責任でいられる。