川崎フォトエッセイ  その515  つぼみ      HOME

 つぼみのまま、いつまで経っても開花しない状態がある。咲く寸前で止まってしまうのは、納得しにくい。

 しかし、咲いてしまうと、それまでのことになる事柄もある。つぼみのままのほうが楽しいこともあるわけだ。

 開花すると、今度は散っていくしかない。いつまでも花の状態を維持できない。めいっぱいの状態ではなく、つぼみ状態を維持しているときのほうが余裕があるのだろうか。

 つぼみのままでは、どんな花になるのかは、わからない。しかし、あるつぼみは、ある花のつぼみで、その花になるのは予測できる。

 人の場合、咲かそうとしている花が無数にある。人の成長は身体だけを意味しない。社会的なもの、精神的なもののほうが重要視される。人生の花とは、社会的な花を指すことが多い。それだけに、花も、期待された花となる。