川崎フォトエッセイ  その520        HOME

 ショッピングビルは、買い物をするためにその建物の中に入る。そのため単なる通行人が迷い込むことはあまりない。

 道路に面した商店街は、上をアーケードでふさがれている。それをはずせばただの道路でしかない。その意味で道としての機能は生きているため、買い物客以外の人も通っている。たとえば雨が降っているときなどは、このアーケードは重宝する。

 そのアーケードが工事ではずされることがある。そのときの光景は、青空市場のような雰囲気で、天井がないため、風通しが良くなり過ぎ、逆に間が抜けてしまう。やはり蓋は必要なのだ。

 商店街の地面が、あたかもフロアのように見えるのは、その蓋があってこそで、蓋をはずすと、ただのリアルな道路に戻ってしまう。

 ビル形式のショッピングセンターは、商店街の道路が廊下となる。その廊下は買い物をするためにだけ移動する通路でしかない。