川崎フォトエッセイ  その555  マナー      HOME

 和風のマナーと、洋風のマナーとでは振る舞い方が違う。日本では両方の世界があるため、切り替える面倒さがある。これはステージの違いだ。

 洋間には椅子やテーブルがある。日本間には座布団があるが、これは簡単に移動でき、客が来ないときは仕舞われている。座布団はいつも決まった場所にあるとは限らない。来客の様子で座布団の配置を即座に変更できる。テーブルは共同で使用するが、お膳は個人単位である。

 和風の大広間に大勢で入った場合、そこで立ちっぱなしということはしない。頭が高いという感じで、腰を下ろすことになるが、そこに座布団があっても、遠慮して使わない。

 日本間で、立ったり座ったり移動したりすることを、立ち振る舞いという。洋間に比べて定位置的な場所が希薄なのは椅子がないためだろうか。