川崎フォトエッセイ  その571  神々      HOME

 日本には神がたくさんいる。自然現象や肉体的なこと、さらに感情的なポイント部分にも神がいる。

 そして今でも、神社に行くと、神が祭られているし、また、彫像として具体的な顔かたちや姿も示されている。

 人を越えた存在は、人だけではまとまらないときに必要だ。人が神を作るのは、人はまだ生乾きであり、生臭いため、神の持っている抽象的存在にはなりきれないためだ。

 その生臭さも、ある抽象性を獲得すると、人によって共通の感情となる。その意味で、ある人の死後、神として祭られることもある。

 さらに何かに秀でた人も、凡人では到達し得ぬ神業の持ち主として神的存在になる。

 僕らは日常の中で、日本古代の神を意識することは少ない。神々が担っている役目を見いだせないと、神は意識されにくいのだろう。