川崎フォトエッセイ  その570  今の昔      HOME

 以前はよく見かけていたのだが、最近遭遇する機会が少なくなったものがある。時と共に減り続ける存在には希少価値が発生しやすい。

 消えてしまうと、二度とこの世でお目にかかれなくなる。それが価値あるものなら、復建が行われるだろう。

 そこでの価値観は、実用性ではなく、デザインや雰囲気の良さが値打ちになっていることもある。

 この時代に、その時代のものを現出させる行為は、今の時代に取り込むことで、ものが古くても、それは今風だといえる。今の中の一つのものになるのだ。

 古いものを復活させる行為は、新しいものを作る行為と変わりはない。今を基準にして見た場合の行為であり、価値としては今必要なものを、生み出しているからである。

 復活されたものがさらに古くなり、今に合わなくなると、妙な形で残ってしまう。