川崎フォトエッセイ  その574  ブランド      HOME

 人は何かを象徴的な形として表示させたくなるものらしい。それはアイデンティティ的な事柄での誇示や防御といった実用的なものもあるし、単にシンボル化したいだけの衝動で形にすることもある。

 外に向かって、はっきりとした身分などを示せた時代には、身分相応の形や、大きさなどがあったようだ。  今は、個人の時代になり、血縁とか家とか地域社会に根ざしたものを全面に出すと、時代錯誤者的に見られてしまう。

 暮らしの中では世間とのバランスの上で選択されるものも淘汰される。その象徴性が重たい場合、現代を生きる上での機動力を失うこともあり得る。

 伝統を重んじるあまり、身動きがとれなくなることもあるが、伝統に繋がる信頼性や安心感を与えるメリットもある。

 象徴的な形は、旧来のものだけではなく、今もブランドとかの形で作られつつあるようだ。