川崎フォトエッセイ  その596  歩道橋      HOME

 歩道橋は人が通る橋だ。橋である限り、何かを渡ることでもある。一般的な歩道橋では、その下は道路が多い。その道路なりを横断するよりも、歩道橋で渡るほうが安全なのは分かっているが、歩道橋への上り下りの階段が加わると、余計な距離を歩かないといけない。時間的には、横断歩道での信号待ちよりも早いかもしれないが、心理的距離感が加わる。

 階段の上り下りは、平らな道を歩くよりも当然の事ながら疲労度は高い。その道が坂道なら、仕方がないと思えるが、歩道橋へ上る階段は、作られた坂である。つまり坂道ではない場所で、坂道と同じ疲労度が加わる。

 歩道橋は人にとって優しくはない。どこか殺伐とした雰囲気がある。それが現代というものであり、それに類するものが諸処にあり、いつの間にかそう言うものだと思って利用することになるのだろう。