川崎フォトエッセイ  その600  初体験      HOME

 誰もまだ踏み込んだことのない場所へ、最初に飛び込む時、それなりにプレッシャーがかかる。この世にあるものは、既知のもので、たとえ真っ新な体験であったとしても、今まで体験したこの世のものと切り離されたものではない。

 世の中のものは、既に見知っているものや、似ているもので構成されている。それ以外のものは、遭遇していても、認識することが出来ない。それが自分の中で反応して、やっとそれと分かるものである。

 僕らが日常的に真っ新と思えるものは、物理的ものは横並び風に未知なるものが既知なるものに加わる程度で、それほど影響力はないが、日常を生きていく上での未知なるものは、生き方との接触があるため、多くの人が体験済みであっても、新鮮な驚きや、恐怖や躊躇など、精神的プレッシャーが加わるものである。

 ありふれた既知なるものであっても、その組み合わせにより、生き方や生活がモロに影響を受けることになる。