川崎フォトエッセイ  その605  憶測      HOME

 人の住む町は、当然のことながら人の気配が随所に残っている。ベースになる箇所に何かが加わり、そこに人の痕跡を見てしまう。

 加わったものが、普段から見慣れているものであればあるほど気配の正体も推測しやすい。しかし、実際にリアルタイムでそれを見たわけではないため、置いてあるものだけで断定できない。憶測はあくまでも憶測で、本当のことではない。

 その憶測が重大な意味をなす場合ではない限り、気にとめる必要はない。観察者に関わってこない出来事は、注意して見ないため、見えていても見ていない。

 僕らがものを見てきっちりと認識するすためには、見る側での動機が必要である。その動機とは生きるために必要なことに関わることだ。何が必要なのかは、その人の問題で、対象物が問題なのではない。

 しかし、ふと見た対象物から誘発される回路もあり、それを考えると双方向で情報は生まれるようだ。