川崎フォトエッセイ  その623  町の図式      HOME

 町には様々なものが詰まっている。そこにあるものはそれなりの必然性があり、必要なものではあるが、無関係なものが折り重なるように展開されていると、圧迫感を受ける。

 リアルなものは一つ一つが任意の事情を背負っているが、お隣のものとは無関係なこともあり、周囲のどれもが任意に振る舞うため、その図式そのものがリアルさを増すことにもなる。

 振る舞い方の図式が、見ようによっては快く感じることもある。間近で見ると何でもない町並みでも、遠くから見ると味わい深く見えることもある。

 町との出会いは、人との出会いと似ており、関わるタイミングや距離によって違った雰囲気になる。

 グループ内でのその人と、単独でのその人とでは、趣が異なる。町も人も、決して単独では存在しないだけに、周囲や背景を持ちながら浮かんでいる……というあたりがリアルである。