川崎フォトエッセイ  その622  日常談話      HOME

 人と人とが出会う時、ほとんどの場合、会話となる。声を出し、言葉を発する。

 会話の言葉だけを抜き出すと、さほど必要性に迫られた内容ではないこともある。友達同士の会話などがそれで、情報価値としてはローカルで、当事者でしか意味をなさない。

 日常会話は、声を掛け合う程度のレベルもあれば、ある事柄に対して、深く分け入り、自分の意志なり、態度なりを伝え、生き方にまで関わるレベルもある。

 共通する素材に関して、自分の感じていること、思っていることを話すことにより、吐き出す気持ちよさもある。誰かにあることを喋りたいという気持ちは、自分のパーソナリティー箇所を伝えることにより、物語をその場で更新させることでもある。

 知り合い同士は、互いの物語を省略して語れる。その続きを補充したり、付け加えたりもする。

 会話の相手は鏡でもあり、受け皿でもある。受け皿の鏡が良質だと、レスポンスが良い。