川崎フォトエッセイ  その630  防御      HOME

 人は守っておきたいものを持っている。攻撃こそが最大の防御というのも、一種の守り方である。もっと言えば「無防御」も防御方法の一つである。

 守るべきものや、守りたいものは、人によって異なる。物理的な意味での守りは、泥棒避けの塀が代表的だが、中を覗かれたくないための目隠しの意味もある。

 物理的な物に対しての守り方は見えやすいが、精神的な防御は見えにくい。

 人と対峙したとき、構えてしまうことがある。その構えそのものが防御的である。構えることにより、相手の発言なりを制限させる。

 守りたい箇所は、その人にとって弱い箇所でもあり、また、むやみに人に触れられたくない箇所でもあり、また未整理で公表しにくい箇所でもある。

 人が礼儀を重んじるのは、相手の中にむやみに踏み込み合わないためである。

 礼儀を破るのは簡単である。相手の気持ちを無視すれば、誰にでも出来ることだから。