川崎フォトエッセイ  その639  親子      HOME

 親子の絵はなぜか温かい。親愛なる情のぬくもりを感じるためだろうか。実際には犯罪になるほど冷たい親子関係もある。親近者ほど憎悪の念に駆られやすくなることもある。

 元々そうであったものが、そうでない関係になったとき、落差が大きいためだろう。

 都心部にはあまり幼い子供は歩いていない。そこは仕事場であり、用事の場であり、大人の世界だからだ。そこに幼い子供がいると、ふと自分の家庭とかを思い出してしまうはずだ。

 幼い子供にとって都会の雑踏は謎と神秘に満ちているかもしれない。大人にとっては当たり前のものしかそこにはないが、その種の把握を子供はまだしていない。世界の見え方さえもが異なるのだ。

 都会の海にこぎ出しても、親と一緒なら、子供は安心するだろう。手を繋いで貰うことは我が家と繋がるためだ。