川崎フォトエッセイ  その650  異物      HOME

 個々のものには特徴があっても、それが並んでいるとありふれた景色に見えることがある。

 ある年代に出来た商店街などでは店の雰囲気がそれなりに統一されている。その纏まり具合は時代によるものだろう。

 そのため、ある範囲内での個々の特徴となり、範囲内に収まっているため、ありふれた感じを与える。しかし、それは馴染んでいると言うことでもある。

 景観の落ち着きは、建物が任意の年代の中にあることが原因となることが多い。店や建物の形が問題なのではなく、その周辺との関係が大事なようだ。

 景観の中に異物が紛れ込んでいると、異様な感じとなる。異物の数が多いと落ち着きを失う。さらに異物ばかりだと、異物の集合がその街の景観となり、その覚悟の上で見るためか、それなりの統一が生まれる。

 おもちゃ箱をひっくり返したような町並みでも、落ち着けることもあり得る。