川崎フォトエッセイ  その655  住処      HOME

 野生の動物にも住処やねぐらがあるように、人間にも当然住む場所がある。動物のねぐらには賃貸や土地所有権などはないが、縄張りはあるはずだ。人も動物も何処にでも住めるわけではない。空いている場所があっても天敵がいたり、生存環境でなかったりする。

 人間の住処は休息の場所であり、プライベート空間でもある。人も動物も睡眠が必要なため、安心して眠れる場所でないとくつろげない。

「住めば都」というように、長くそこに居ると、場所に対する慣れが生じ、周囲の状況も把握できるようになる。さらに「そこにいる私」が周囲の人達からも既成のものとして認知され、居やすくなる。

 住処としてのふさわしさには個人差がある。その人にとって馴染める場所を自然に選んでいることもある。

 雨露を凌げる場所、この種の基本がメインで住処を選択することは少ない。社会的な意味での人としての体裁が必要なためだろう。