川崎フォトエッセイ  その661  路地で遊ぶ      HOME

 路地裏で子供達が遊ばなくなった。昔ほどその光景は見かけない。しかし、全く消えたわけではない。遊べそうな路地や通りがまだ残っているからだ。

 古くからあるような町内は、その通りや路地に住む人達も昔からの顔なじみであることが多い。そのため子供達が近所の子と遊ぶのは新興住宅地よりもスムーズだ。

 路地は知らない人が行き交う場所ではなく、そこに住んでいる人の場である。公園や原っぱがない場合、路地が遊び場になり得る。

 路地は公園ではないので、遊ぶための設備はない。逆に言えば特定の遊び方を強要されない。

 すぐ家の前で遊んでいるため、幼児でも参加しやすい。親は炊事場の窓から「帰ってきなさい」とかも言える。

 しかし、この条件を満たす環境が、年々少なくなっている。子供は遊び場所を見つける天才である。その天才達から見捨てられた町並みは、住み心地がよいとは言えないことになるだろう。