川崎フォトエッセイ  その703  チューリップ       HOME

 稲は海外から渡ってきた植物である。稲とは「米」であり、ご飯である。日本人の主食である。農地とは田圃であり、田圃とは水田である。つまり稲作をメインとした農村風景が綿々と続いてきたことになる。

 米は貨幣でもあり、領地は石高で評価されていた。

 日本の風景や暦も、稲作と関わりが強い。稲作で使われている言葉が、今も生きており、非常に日本的な言葉となっている。

 その稲は大陸から分かってきたものである。同じように海外から渡ってきたチューリップが、咲いていたとしても、入って来た年代が違うだけで、どちらも輸入物である。

 小さな子供が、生まれたときからチューリップを見ていたとすれば、それは自分の土地の風景として馴染んだものとなる。

 日本的な原風景とは、慣れた風景程度を指すほうが好ましい。