川崎フォトエッセイ  その704  子供世界       HOME

 子供を見ていると、自分にもそんな頃があったことを思い出すと同時に、世界観まで蘇ることがある。

 子供時代の世界が、大人になっても、そのまま続いているという感じは、断絶がないことを意味している。これは、世界が単に拡張されただけと言うことになる。

 そうではなく、何処かで、子供時代の世界観とは違う世界観に塗り替えられ、継続性はないこともあり得る。

 子供世界のほうが、情報は単純であり、その領域は、無限に広いが、質的な変化はあまりない。

 大人世界になると、情報が複雑になり、見えなくても意味として存在するものに囲まれてしまい、行動も複雑になる。

 子供世界は、大人から見ると、浅く狭いのだが、子供にとっては、深く広く感じられる。大概のことが見えてしまう大人の世界では、その限界内で、やりくりしていくリアリズムがあり、子供は現実の雛形を弄ることで、夢を膨らませる。