川崎フォトエッセイ  その717  実体を繋ぐ       HOME

 表示の向こう側に、リアルな世界が展開していることがある。表示(看板)も現実上にあるリアルな存在ではあるが、表示そのものが内容ではない。

 あるメッセージをずっと言い続け、発し続けるには、それを独立したものにし、固定させたほうが能率がよい。そのメッセージと、その先にある内容とが一致している場合は、問題は何もない。

 メッセージが指す内容が変わることもあるし、また、判で押したようなメッセージを繰り返していると、言葉だけが浮いてしまうこともある。

 ずっとそのメッセージを受け続けたい人もいるし、また、言葉は内容を伴っていなくても、言うことができるので、言葉と、実体がずれたような印象を与えることもある。

 リアルはうつろいやすく、不確実である。そのため、せめて言葉でも繋ぎ止めたく思う気持ちもあり得る。