川崎フォトエッセイ  その754  古看板       HOME

 看板が古いからといって、例えば売っている煙草が古いわけではない。

 看板の目的は、何かを知らせることである。当然知らせるべき内容が、既にないものもある。看板だけが残った例だ。

 看板と、それが指している中身が一致しないこともある。嘘を表示しているわけではないが、イメージが異なっていたりする。

 指しているもののバージョンと、看板のバージョンが、同じ時代のものならば、それほど違和感はない。

 その看板を作ったときは、先のことまで見込んでいたわけではないだろう。未来など誰にも見えない。

 現実とのズレは、日常的に起こっていることで、寛容範囲内に入っておれば、何とかなるものだ。

 古い時代の看板に似せた看板でも、その材質とかまで似させないと、薄っぺらいものになる。