川崎フォトエッセイ  その761  裸像       HOME

 素っ裸でも、それがオブジェとしての人形で、作られたことが推測される場合、人間の裸体とは別の世界になる。

 マネキン人形も、その意図の世界に属している。

 意図された世界は、機能を果たすための世界で、これは現実の中に組み込まれている。つまり、人が暮らす上で、それなりに必要なシステムの中に属している。

 しかし、社会的な、そんな説明は分かっていても、人はもう一段階下の階層を感じ取っており、下世話な想像をしてしまいやすい。

 同じ物でも、それが置かれている場所によって意味が違ってくる。オブジェはその上の階層の下にあってこそ意味を果たす。

 オブジェが発する造形的意図や、イメージも、独立させてしまうと別の階層に組み込まれる。