川崎フォトエッセイ  その760  思い巡らす       HOME

 家があれば、そこに人が住んでいるのが当たり前だと思う。そこがゴーストタウンであるかどうかは、一目見れば分かる。家が崩れてはおらず、変なところがないからだ。

 そこが廃村であるかも知れない。しかし、近くに駅があり、通勤圏内ならば、廃村であるはずはないと判断してしまうのは当然だろう。もしその村落が、廃村であるならば、非常に珍しいケースで、ニュースか何かで伝わってきているはずだ。

 山間の村落も、時代と共に変化している。かなり以前なら藁葺き屋根だったはずで、景観も違っていたはずだ。

 民話に出てきそうな村落風景を期待するのは無理な話なのだが、そんな風景が残っていて欲しい、と思ってしまう。それは、単に観光としての期待で、そんな、思惑に応えてくれるほど現実はロマンチックではない。

 しかし、山間にぽつんとある村落という構図は、大昔からある絵なので、それと重ね合わせるのは自由である。これを妄想ではなく、思い巡らしである。