川崎フォトエッセイ  その763  よくある都市       HOME

 初めて見る街でも、その街が日本の主要都市である場合、違和感は少ない。

 よりローカルな場所へ行くと、昔からのものが残っており、それが自分の見慣れた環境からの視点で見ると違和感を起こしやすいのだが、都市には共通したユニットがあり、配置が多少違う程度で、そのユニットに対しては安心して眺められるところがある。

 ユニークな建物も、外観に特徴はあるものの、部分を見ると、よくあるものが使われていたりする。

 このあたりは、今の時代の人が、今の時代の作り方で作るためで、共通していて当然なのだ。

 さらに、街並みも、結局はよくある道路が走り、歩道があり、その構成も共通している。

 そこを行き交う人達も、所謂現代人で、その都市から出たことが一度もないような人は少なく、他の都市からやってきた人とかも加わる。

 そして、地名だけが、オリジナルな印象となりやすいのは、都市の風通しにとっては好都合かもしれない。

 しかし、都心部の表の顔は、その地方の本当の顔ではないことは言うまでもない。