その793
日常の営業
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人が動いているのを見ると、その意味がわからなくても「日常が営業中」という印象を受ける。
個々の事柄はわからなくても、暮らしが営まれていることだけはわかる。この箇所では共通しているのだ。
例えば自転車に乗っている人がいるとする。この場合でも、病気で寝込んでいたりすると、自転車には乗れない。その意味で「暮らしの営業中」なのだ。
その人が、買い物へ行くのか、入院中の家族を見舞いに病院へ行くのか…その詳細はわからない。本人がこれから医者へ行くところかもしれない。
以上の事柄は、特に異常なことではなく、日常の中に含まれるごく平凡な出来事である。
むしろ、目的もなく、単に自転車に乗ることが楽しくて、町内を走り回っていることの方が異常だ。
日常とは、やはり何らかの有為な営業を指しているように思える。