川崎フォトエッセイ  その804  濃い温度       HOME

 あるコメントをするとき、語ることがたくさんあり、心的に深い階層にまで達しており、風が吹けば、さっと空気が入れ替わるほど淡泊な状態ではないことがある。この場合、濃さを感じる。

 濃い状態とは、その人が、元々濃い人なのかもしれない。濃さにつきまとう奥行きや密度に反応できる人でないと、濃さは味わえないからだ。

 密度のあるところには温度が生じ、語り方も熱くなる。温度はエネルギーそのもので、生命の息吹を感じる。

 人間的な濃さは、感情が露出したときの方がわかりやすく、熱く語れる事柄は、それだけ本気であり、感情も全開する。

 感情を出しきり、言い切ったとしても、それでその濃さが薄くなるとは限らない。語ることで、さらに層が厚くなり、より濃くなるのだろう。

 この種の濃さは、自家発電のようなもので、エネルギー源となり、他のことで使うことによって発散するかもしれない。