川崎フォトエッセイ  その803  寸法       HOME

 それが小さいものか、それとも大きなものかは、何らかの基準で決まる。人が何かを見た場合、やはり人の寸法が基準になるように思う。

 人間の身長から見れば、草花は小さく、樹木は大きい。それ以上大きく、またはそれ以上小さいもにになればなるほど基準も曖昧になる。もう比べることさえしなくなるレベルになるからだ。

 宇宙のことはわからないにしても、この地球に存在するものは、同じ基準でできていると思う。

 たとえば、怪獣映画で、ぬいぐるみの中にいる人間の動きは、いやにちょこまかしている。人間をそのまま拡大したためで、おそらく細胞もそのままふくらませた大きさになるため、詰まり具合が違うのだ。

 一枚の絵をいくら拡大しても、書かれている以上のデータは詰まっていない。

 人が見る基準は、大きさだけではなく、空間も加わる。遠くのものはぼやけて見えにくいし、近すぎても見えない。

 デフォルトの基準は、やはり存在している。