川崎フォトエッセイ  その811  超感度       HOME

 人は知覚を超えた物は見えないし、感じることはできないとされている。しかし、諸感覚の範囲を超えたなにものかを感じることがある。

 カメラがとらえた世界は、人間が肉眼で見た世界よりも、平坦である。それは、映し出される装置に問題があるためだ。

 テレビや写真を見るのも肉眼だが、生のものを見てるわけではない。その場に居合わせ、同じ一繋がりの空間の中にはいない。少し顔を傾けると、見える角度が異なり、そのものが確かにそこにあることがわかる。

 肉眼で捕らえられない世界を機械を介して見ることは可能だが、五感のどれかが欠けているはずだ。

 五感を越えた世界は、感じることで、受け取るしかない。その場合、無意識的な演算や様々なアクセスが脳内で行われているはずだ。

 感じると言うことさえ忘れるようなタイミングがある。諸感覚や無意識さえも越えた世界だ。しかし、それには証拠がない。