川崎フォトエッセイ  その813  耕す       HOME

 日本人は昔から土地を弄ってきた。土地を耕して生きてきた。

 米は効率の良い食料だ。他の食べ物、たとえば動物や木の実よりもプロセスとしての安定度は高い。

 人が生きていく上で、一番大事なことは「食べること」だ。食べないと死んでしまう。そのため安定して獲得できる食料を求める。

 それは麦でもよかったのだが、この国の風土が稲作に適応していたのだろう。大陸から渡ってきた稲作を真似た。

 稲作は人々を定住させ、農村となる。土地にしがみつくという意味ではなく、定住しないと、米を栽培できないためだ。

 食べて生きていくために土地を耕し、その土地で暮らす。結局は飢えないための手段なのだ。

 今は、食べるため必死になって土地を耕すよりも、別の仕事でお金を稼ぎ、それで米を買う方が効率はよい。