川崎フォトエッセイ  その827  信頼       HOME

 放置していると、存在がわかりにくくなる。果たして機能しているのかどうかさえ疑わしくなる。

 電源の入っていない自販機に、コインを投入しても反応しない。場合によっては返却されない。

 何らかの仕掛けが稼働しているかどうかの有無がわかりにくいこともある。機械だけではなく、人間関係や社会もそうだ。数十年前の約束事が機能していることもある。

 信頼関係がそこになくても、律儀に機能し続ける仕掛けもある。

 装置を放置、もしくはメンテナンスがないと、その装置は機能していても、周囲との関係が繋がらないこともある。

 常に信頼関係を維持しなければならない装置もある。それが面倒なら、信頼という不確かなものに頼らないことだ。

 音沙汰なしで、久しぶりに偶然出会った知り合いと、それまでの関係が継続しているかどうかは、話しかけてみるまでわからない。