川崎フォトエッセイ  その843  再現       HOME

 なんでもない空と雲、しかし、同じものを一生見ることはできない。人生はそういうものでできている。

 しかし、似たような経験が繰り返されることがある。共通した何かがそこにあると、既成のライブラリーにでもアクセスするのだろうか。

 似ていても、全てが同じではない。しかし、全てが同じである必要はない。これは、見出している意味にポイントがあるからだ。

 同じ体験をもう一度したい…などと思うのは、それを望んでいる今があるからだ。逆に、もう二度と味わいたくない体験もあり、ある現象が、そのパターンに徐々に似てくると、不安や不快などの感情が先走る。

 全てが同じではないはずなので、過去に陥ったとんでもない現象が繰り返されるわけではないが、危なっかしい領域に入り込んでいるという不安感は拭いきれない。

 良いことは再現して欲しいと願い、嫌なことは二度と繰り返さないで欲しいと願う。それは至極普通のことだ。